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轟悠・柚希礼音 宝塚星組公演 The Lost Glory 観劇レポート [観劇日記]

The Lost Glory poster.jpg

※敬称は、略させていただきます。


初日から間もない7月20日(日)の15:00公演を観劇した。

一言で、言うと柚希礼音の悪役の魅力を最大に発揮するために

書かれた脚本のようにも思える。

シェイクスピアの「オセロー」がベースになっているので

轟悠の演じる「オセロ」役にあたる「オットー」の苦悩を表現するのは

大変な役であるし、轟はその難役をベテランの演技力で

見事に表現していると思う。


しかし、宝塚では、悪役を演じるスターが目立つ傾向にあり

この作品の「イアーゴ役」にあたる柚希演じる「イヴァーノ」が

目立つのは、当然のことだと思う



「オセローは」

ヴェニスの軍人であるオセロが、イアーゴーの策略にかかり、

妻デズデモーナの貞操を疑い殺すが、のち真実を知ったオセロは自殺する、という話

であるが、結末は異なる。


The Lost Glory 舞台はニューヨーク

ギリシャ系の移民でありながら、アメリカンドリームをつかんだ男

「建築王」と称されるまでになったオットー・ゴールドスタイン(轟悠)

その片腕イヴァーノ・リッチ(柚希礼音)

イタリア人の成り上がりとその妾の子供であった彼は、優秀でありながら

幼いころから差別され生きてきた。

そんな中、彼は実力で評価をしてくれるオットーと出会い

以来、ずっと彼を信頼し、彼を支えてきた。

オットー・ゴールドスタインを支えるもう一人の男 ライマン財閥のライマン会長こと

ウォルター・P・ライマン(十輝いりす) のニューヨークの新しいランドマークビルとしての

ライマンビルの建設を担当することとなった。

新会社を設立してまでの、社運をかけるほどのプロジェクト

その新会社の社長に選ばれたのは、イヴァーノではなく

ニューヨーク州上院議員の息子 カーティス・ダンフォード(真風涼帆)が就任した。

イヴァーノは、自分が任されると思っていただけにショックも大きかった。

だが、重役たちに反対されたのが原因であろうと、オットーに確認するが

オットーから告げられたのは、オットーの最終判断で、人事は決定されてことを知る。

「この人だけは違う」と思っていたイヴァーノ

そこから、イヴァーノのオットーへの復讐がはじまる・・・


ストリーは、以上である。


ヒロイン夢咲ねねは、オットーと結婚するアメリカ屈指の名門 大富豪キャンベル家の
令嬢であり、画家の ディアナ・キャンベル を演じる

あまりの華やかさに女優の役と勘違いしてしまい、パンフレットを読み
画家であると再確認


二番手の紅ゆずる は、ロナルド・マーティンという ディアナの絵の家庭教師であり

初恋の相手だったが、身分違いで結婚をあきらめる気弱な青年

演技達者な紅に、この役は・・・と最初思っていたが、クライマックスを見て納得の

役柄であった。

好青年からの変貌ぶりが見ものである。


三番手の真風涼帆は、新会社の社長 カーティス・ダンフォード

優秀ではあるが、酒と女に溺れるロストジェネレーションそのもののような人物


イヴァーノにはめられて、仕事への情熱が目覚める役どころ


メインキャストは以上であるけれど、個人的に注目した役として

前作 ナポレオンのナポレオンの息子を演じ

少年ぽかったが、今回は大人を演じた レイモンド役の天寿光希

宝石商のムッシュ・ヴァラン役を演じた 壱城あずさ 

お姉キャラがとても面白く、セリフのない場面でも

歩き方ひとつとっても細かく役づくりがみてとれて、興味深かった。


また、株暴落の危機について述べた ウィル・スミス役の鶴美 舞夕 が

とてもよかった。


個人的な違和感は、イヴァーノ・リッチが見るからに悪役で、


どうしてこんな、いかにも腹にいちもつもってそうな人間のいうことを

オットーも、カーティスも、ロナルドも信じるのかが不思議だったため

見るからに悪役につくりすぎではないか?


という個人的な感想はあったが、スカイステージの話を聞いて

演出家からの「見るからに悪役な役作りにして欲しい」という

要望があった話を聞いて納得。

あくまでも、悪役の魅力を最大限に出すため重視の、役づくりと

なっているようである。





長くなったが、ショーのパッショネイト宝塚も、ラテンのとても楽しいショーである

特筆すべきは、第7場 ファヴェーラ


礼 真琴が歌い 柚希と鶴美 そして、ダンサーたちのダンスが圧巻である

スカイステージで出演者がすごいと言っていた場面の

カポエラとは、ここではないだろうか?

本当に圧巻である


宝塚大劇場公演 2014年7月18日(金)~8月18日(月)


東京宝塚劇場 2014年9月5日(金)~10月5日(日)


詳しくは、宝塚歌劇団のHPをご覧ください



オリジナル作品としては、ひさしぶりにお薦め作品である[ぴかぴか(新しい)]
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